四川辣子牛串
〜カルビ串の四川唐辛子炒め〜
油通しされた唐辛子に埋もれた串刺しの牛肉。唐辛子は食さず、
かき分けて牛肉だけを頂く。牛肉に移った唐辛子の風味を共に味
わう贅沢な料理。食さない食材がこれだけ盛られているのも驚き
なのだが、これが唐辛子かと思わせる芳醇な香りに食欲をそそられる。

●香り高い唐辛子は、日本にはない唐辛子。
 四川の気候、風土が育てた産物といえる。
 四川料理というと貴方はまず何を思い浮かべるだろう。唐辛子をふんだんに使った辛い料理、特に麻婆豆腐は印象に深い。四川は中国奥地の盆地であり、その風土や気候からして唐辛子や香辛料を活かした辛味料理が発達したということは、生活の知恵であり、周知のところ。
 しかし四川料理は辛さだけではなく、芳醇な舌触りや風味を大切にした繊細な料理である。
 [華市]店主山下さんは浜松四川料理界の雄。ある時期広東料理の素晴らしさに気付き、猛勉強。四川料理ではできない広東料理を取り入れることで、レシピの幅を広げようと創意工夫を重ねた。
 しかしあるキッカケで四川料理ともう一度向き合うことに。
 再度四川に出向き、現地で料理や食材、調理技術を見学。そして肌で感じたそうだ。
 「日本の四川料理は遅れている!自分達が自負していた全てをひっくり返されたような衝撃でした。」
 まして日本では見ることもない稀少な食材をふんだんに使えるのも地元ならでは。日本にはない調理法もあり、それにより同じとうがらしでも「香り」や「味」に日本の中国料理と大きな違いが出ているという。
 そして「辛さ」はとうがらしそのものだけでなく、山椒やニンニク、野菜など他の素材との組合せによる複合的なもの。その辛さは説明のつかない複雑な味わいで、これらの組合せにより風味は無限に広がっていくのだという。四川料理はまだまだ進化していくことを、改めて痛感したそうだ。   
 近い将来、ここ浜松でしか味わえない本物の四川料理が、テーブルに並ぶことになりそうだ。
 そこで今回は、山下さんが四川へ出向き感じた「香り」をテーマに、新作を早々頂くことに。
 中国料理の豪快さの中にある繊細さ、緻密さを、山下さんの創意により仕上げられた新しい四川菜の数々。どうぞお試しあれ。
金沙粉赤鶏
三河赤鶏の乾貨パウダー掛け
鶏肉はブロイラーは一切使わないという山下さんがこだわる「三河赤鶏」。丹念に揚げられた赤鶏の皮はパリっと、肉はジューシー。特有の歯触りと旨味、そしてコク。たっぷりと掛けられた乾貨パウダーは、干し海老、干し貝柱、金華ハム、カシューナッツ、紅頭葱など12品が調味料と合せられ、それぞれのもつ風味や旨味が劇的に融合している。それが赤鶏に浸透し、さらなる風味と旨味を作り上げるという逸品。しかもそのパウダーは基本的に食さない。



酥餅包XO扇貝
〜活ホタテのXO醤のせパイ包み焼き〜
パイを開いた瞬間、ホタテとXO醤の香りが漂う。椎茸、
アスパラとその盛付けも目に楽しい。

塩漬けした「衣笠茸」の子供は日本では滅多にお目にかかれない。

三野菌豆腐湯
〜四川茸と豆腐のスープ〜
四川は茸でも有名。さまざまな茸を今回はスープで頂く。
豆腐の上に掛けられたスープの中には数種類の茸が。仕上げ
にピーナッツオイルを掛け、香りをたたせる。シンプルな味
付けながら、辛い料理との相性は抜群。