「夏風彩色菜譜」
左手前が本文で紹介の「蜂巣芋角」通称〜蜂の巣揚げ。高い技術が要される、華市主人山下氏ならではの逸品。
その日によって替る揚げものも楽しみだ。
※お一人様 8,000円コースの菜譜より
「蜂巣芋角」 蜂の巣揚げといってすぐにピンとくる人は少ないだろう。その筈、浜松の数ある中国料理店において、定番メニューにその名を見ることは、まずない。中国の伝統料理のひとつで、チーズを芋の生地で包んで揚げたもの。 ところがこれには相当な技術がいる。生地に含まれたラードの量、油の温度、揚げる時間とタイミング。全てに微妙な駆け引きが要求される。ラードが網目のように溶け出して、蜂の巣の様になるわけだ。派手な料理ではないが、高い技術を要する料理なのだ。それを目の前で、一度でやって見せる。
 早速、蜂の巣揚げの揚げ立てアツアツを口に運ぶ。パリパリッとした生地の軽い食感、トロッと口に拡がるチーズの濃厚な味わい、そして香り。決してクドくない。記憶に残る逸品。
自家菜園で丹念に育てた野菜と、箸でそくっと切れてしまう程やわらかく煮込まれた牛舌。茄子とトマト、そして牛舌の相性がいい。丸一日かけて煮込む丹念な仕事。余熱を計算に入れての調理は、かなりの経験が必要。程よくピリッと辛い。牛舌料理は主人山下氏の得意料理でもある。 ※お一人様 8,000円コースの菜譜より
 食材に対する想いも深い。鶏は赤鶏(地鶏)しか使わない。名古屋コーチン、日向鶏、様々な赤鶏を試し、三河地鶏に辿り着いた。料理によっても贅沢に使い分ける。
 「中国の鶏は旨い。日本人は牛にはこだわるが鶏についてはあまり語らない。日本の鶏は早く大きく太らせる為、身が厚く水っぽい傾向があります。」
毎年中国に渡り“勉強”をする成果か。
 「三河地鶏は育つのに時間がかかるが味が格段に違う。うちは丸ごと仕入れます。ガラからは素晴らしいスープが採れるんですよ。香りも良くてジューシー、さらに身が絞まっている。 華市では、創業以来始めてファミリーコースを用意した。中国料理の定番を色々楽しみたいという、お客様の要望に応えての事。「定番料理はあまり好きではなくて」と、苦笑いして話す主人山下氏のこだわりが垣間見える。華市ファンにとっては、誠に嬉しいことなのだが。
ファミリーコース お一人様 3,000円 ※3名様より
華市創業以来始めての「ファミリーコース」。三河地鶏はもちろん、プリッとしたおおぶりの海老といい、決して手を抜く気配はない。嬉しいことに、7名以上でおこげ料理がサービスされる。
ぜひ、お試しあれ。※3,500円コースも有り菜 譜
季節の前菜二種/牛肉とピーマンの炒め/海老とタマゴのチリソース/三河鶏の唐揚げ/油淋ソースがけ/紋甲イカのカキソース炒め/四川水餃子/コーンスープ/具沢山入りぜいたくチャーハン/華市特製アンニンドーフ

山下氏の料理に対する想いは熱い。
調理場のスタッフも増え、さらに
いい仕事が期待できそうだ。